【パットが変わる】自宅で簡単!永井延宏プロ直伝「筆ペンドリル」で体幹パッティングを習得

スイング理論 & ドリル

パットに型なし」とは言いますが、アマチュアゴルファーの多くがパッティングの不調に悩まされています。スコアを改善しようと新しいパターに手を伸ばす前に、一度立ち止まって、ご自身のストロークの「常識」を見直してみませんか?

今回ご紹介するのは、プロゴルファー永井延宏プロが考案した、どこにでもある「筆ペン」を1本使うだけの驚くほどシンプルな練習法、その名も「筆ペンドリル」です。

このドリルは、高価な練習器具よりもはるかに価値のあるフィードバックを与え、あなたのパッティングを根底から変えるかもしれない3つの驚きの発見をもたらしてくれます。

筆ペンドリルの準備とやり方

この練習の最大の利点は、ストロークの軌跡をリアルタイムで**「見える化」**できる点にあります。自宅でも簡単にできるセットアップから始めましょう。

1. 準備するもの

  • パター(お手持ちのものでOK)
  • 筆ペン(毛筆タイプ、ペン先が少し出るもの)
  • 輪ゴム(筆ペンをパターに固定するため、2本ほど)
  • ノートや紙(線を引くために床に置きます)

2. セットアップの手順

  1. 筆ペンをネックにセット: 筆ペンをパターのネック部分にあてがいます。
  2. ゴムで固定: シャフトとネックの2箇所を輪ゴムでしっかりと固定します [11:08]。ストローク中に動かないように、きつめに固定するのがポイントです。
  3. ペン先の調整: パターを地面に置いたとき、筆ペンの先がソール(底面)から**「1cm弱ぐらい」**出るように長さを調整します [10:40]。

3. 練習のやり方

  1. 床に置いた紙の上にパターを構えます。
  2. ボールを打つときと同じようにストロークし、線を引きます。
  3. 目標は、テークバックで引いた線と、フォローで引いた線が**「同じ線上を往復する」**ことです。
  4. まずは「3cmぐらい」の小さな動きから始め、正確に往復させる感覚を掴みましょう [06:05]。

このドリルから得られる3つの「プロ感覚」

紙に描かれるその一本の線は、あなたの体の動きを映し出す鏡です。このドリルを続けることで、パッティングの常識を覆す3つの重要な感覚が養われます。

発見1:意識すべきは「ヘッドの重さ」ではなく「ネックの動き」

多くのゴルファーが教わってきた常識は、「パターヘッドの重さを感じて、振り子のようにストロークする」というものでしょう。しかし、永井プロは**「ヘッドの重さを感じて振り子で振るんじゃなくて、このネック自体を動かすイメージ」**が重要だと説きます [05:12]。

このドリルでは、ネックに筆ペンを取り付けて線を引くため、ゴルファーの意識は自然と**「ネックの動き」**に集中します。

「ヘッドを振る」という曖昧な感覚から、「ネックを動かす」という明確な感覚へと強制的にシフトさせられることで、ストロークの安定性が劇的に向上します。

豆知識:タイガー・ウッズの秘密 史上最高のパターの名手であるタイガー・ウッズのパッティングデータを分析すると、彼の目はボールの真上ではなく、「ネック」の真上にポジションされていることが分かっています [08:04]。これは、ストロークの動き出しを司るネック部分に意識が集中していることの何よりの証拠です。

発見2:「手先」を消し、「体幹」でストロークする感覚を可視化

もしあなたが無意識に手首や指先といった「手先」を使ってストロークしようとすると、筆ペンが描く線は必ずフラフラと揺れ、不安定になります。

これは、手先の筋肉が安定的で反復的な動きには不向きだからです。

このドリルで完璧に真っ直ぐで制御された線を描くためには、手先を固定し、肩や背中といった**「体幹」**を使ってストロークする必要があります [08:29]。

  • 体幹主導のストローク: 「体幹でこう持ってくと同じ線で…体幹で動くで体幹で返して」という意識を持つと、筆ペンが同じ線上を往復するようになります [09:44]。
  • 再現性の向上: 手先の余計な動きが消え、体幹主導の再現性の高いストロークが身につく瞬間を、紙の上の線が教えてくれます。

発見3:高速グリーンを制する「小さな動き」のコントロール

パッティングが苦手な人の多くは、振り子のように漠然と振ることで、テークバックの**「初動」が意図せず流れてしまい**、振り幅が大きくなりすぎる傾向があります [06:01]。

この筆ペンドリルは、その無意識の「ブレ」をなくすための特効薬です。

  • 極めて小さい動きの習得: 「本当にこのね極のこれぐらいの」動き、具体的には3cm程度の小さな往復を、自分の意思でピタッと止め、正確に切り返す訓練をします [06:05]。
  • 距離感の土台: 「高速グリーンの下りの1m」のような繊細な場面では、この始動のブレが致命傷になります。小さな動きを意図的にコントロールする技術こそ、あらゆる距離感の土台となるプロの技術なのです [07:33]。

まとめ:常識を捨てて、自信を掴む

「筆ペンドリル」は、単なる動きの矯正ではなく、ストロークに対するゴルファーの**「考え方」そのものを変革させる**ための自己診断ツールです。

真のパッティング改善は、フォーカスするポイントを「ヘッドからネックへ」、そして動力源を「手先から体幹へ」とシフトさせることから始まります。そして何より、ストロークの成否を分ける最初の数センチを完全にマスターすることにあります。

このドリルで得られるのは、揺るぎない自信です。道具も時間もほとんど必要ありません。ぜひ今日から試してみて、パッティングの新たな扉を開いてみてください!