三菱ケミカルが誇るツアーモデル(TM)ブランドとして、ゴルファーから絶大な信頼を得ているDiamanaシリーズ。その第6世代の幕開けを飾る第一弾として、待望の「Diamana WB」が登場しました。([00:00:08])
このモデルは、伝統的な「白マナ」の系譜を受け継ぐ元調子シャフトです。([00:00:15]) 動画で解説する永井延宏プロ自身も、過去の白マナはその先端剛性の高さを活かし、フェアウェイウッドで愛用した経験があるとのこと。([00:00:43]) だからこそ、その伝統をどのように守り、そしてどのような革新を遂げたのか。
この記事では、動画の永井プロの試打インプレッションを基に、Diamana WBの性能の真髄を徹底的に解説します。
1. 概要と第一印象:伝統の「白マナらしさ」
まず注目すべきは、一新されたデザインです。第6世代からコスメが一新され、全体をマットブラックで統一。([00:00:22]) モデルカラーであるホワイトの「Diamana」ロゴが精悍な印象を与える、洗練されたデザインに仕上がっています。
永井プロがスペック53 S([00:01:13])を手に取りワッグル(軽く素振り)した際のフィーリングには、紛れもない「白マナ」の感触があったと言います。具体的には、以下の二つの対照的な感覚が明確に伝わってきました。
- 手元側のしなり: グリップからシャフトの中間部(バット側からミッド)にかけて、非常に素直でリニアなしなりを感じます。([00:01:20]) これが元調子特有の挙動の予測しやすさ、切り返しのタイミングの取りやすさに繋がります。
- 先端の剛性感: 一方で、シャフトの先端部分はしっかりとした剛性が感じられます。([00:01:25]) これがインパクト時にヘッドのブレを抑制し、エネルギーを効率的にボールへ伝えるための重要な特性です。
この「しなやかな手元」と「剛性の高い先端」という組み合わせこそが、歴代「白マナ」が支持されてきた理由であり、Diamana WBもその伝統を忠実に継承していることが第一印象で確認できます。
2. 試打分析①:驚きの「ノーストレスな切り返し」
しかし、実際のショットで感じたのは、伝統的な元調子のイメージを良い意味で裏切るものでした。スイングを開始し、トップからダウンスイングへ移行する「切り返し」。ここでプロが感じたのは、「非常にスムーズ」で「ノンストレス」な感覚でした。
元調子シャフト、特に先端が硬いモデルには、切り返しで硬さからくるタイミングの取りにくさを感じることがあります。しかし、このDiamana WBにはそれが全くありません。
「やはり手元らしい部分としてはこの切り返しのところ非常にスムーズというかノンストレスな感じがありましたね。」 ([00:01:53])
手元側の絶妙なしなりが、力みやタイミングのズレなく、自然にダウンスイングへと導いてくれます。多くのゴルファーが悩む切り返しの難しさを、シャフト側が巧みにアシストしてくれるような印象です。
3. 試打分析②:進化の本質は「スピード感」への変貌
Diamana WBの真価が最も発揮されるのが、インパクトゾーンです。歴代白マナの「先端剛性」がエネルギー効率を高め、厚いインパクトを実現するのはもちろんのこと、今作で明確に感じられたのが「スピード感」です。
永井プロは、先端の剛性感に「スピード感が加わってる」([00:02:11])ことが第6世代の特徴だと指摘します。
過去の「白マナ」には、そのしっかり感ゆえに「ややハードでしんどい」と感じるゴルファーもいました。([00:02:21]) しかし、Diamana WBにはその印象が全くありません。([00:02:27])
ストレスのないスムーズな切り返しから、インパクトにかけてシャフトが鋭く走り、ボールが「スパーン」と弾き出されるような心地よい感覚。([00:02:31]) このフィーリングこそ、WBが遂げた進化の本質です。この進化の背景には、素材メーカーである三菱ケミカルならではの「素材の進化」があります。
「その素材がさらに進化したということでしっかり感だけでなくてそこにスピード感ですね。これが加わってきたなというところ。この辺りがWBの進化という風に言っていいのかなと思います。」 ([00:03:01])
シャフト設計における永遠の課題であった「安定性」と「スピード感」という相反する要素を両立させ、「しんどさ」を克服した点こそが、第6世代としての明確な進化と言えるでしょう。
4. 適合ゴルファー像:意外な適正とフィッティングのヒント
では、このシャフトはどのようなゴルファーに最適なのでしょうか。永井プロは、この「切り返しのスムーズさ」から、意外なタイプを推奨しています。
それは、「トップが比較的コンパクトな方」です。([00:03:14])
トップがコンパクトなスイングは、切り返しで陥りがちな「力み」や「打ち急ぎ」が課題となりますが、このシャフトのスムーズなしなりが自然なタメを創出し、理想的なダウンスイング軌道へと導いてくれます。
さらに、フィッティングに関して興味深いヒントが提示されました。それは、「普段使用しているスペックよりも『やや重め』のシャフトを選ぶ」というアプローチです。([00:03:25])
スムーズな挙動を持つDiamana WBだからこそ、少し重めのスペックでも振り遅れることなく、むしろその重量がシャフトのスピード感と相まって強力なインパクトエネルギーを生み出し、飛距離に変えることが可能になるのです。
5. 総括:伝統と革新の融合が生み出す新時代の元調子シャフト
Diamana WBは、単なる「白マナ」の後継モデルではありません。歴代モデルが築き上げた「先端剛性によるコントロール性能」という核を守りながら、現代の素材テクノロジーによって「スムーズさ」と「スピード感」という新たな価値を融合させ、かつての弱点であった「しんどさ」を克服した、新時代の元調子シャフトです。
本シャフトの核心的価値を要約すると、以下の3点に集約されます。
- スムーズな切り返し: トップからの移行がノンストレスで、力みなくスイングに入れるため、ショットの再現性を飛躍的に高めます。
- スピード感のあるインパクト: 先端の剛性がエネルギーロスを防ぎつつ、鋭い走りでボール初速を最大化します。
- 進化した素材テクノロジー: しっかり感とスピード感を高次元で両立。かつての元調子シャフトにあった「ハードさ」や「しんどさ」を見事に克服しています。
もしあなたが、スイングの「エネルギー効率」を最大化し、安定した「方向性」と、これまで以上の「初速感」を求めているのであれば、Diamana WBは新たな「基準」となる一本です。

